BFJ公認野球指導者資格
理念
「野球の指導を通じ、健やかで夢のある豊かな社会づくりに貢献する」
近年、国内の野球競技者数は減少傾向が続いており、特に小・中学生の野球ばなれは野球界にとって大きな課題となっています。2016年に日本野球機構(NPB)と当協会(BFJ)は、野球の普及・振興を最大の目的とするプロ・アマの合同会議体「日本野球協議会」を発足しました。その後、野球競技者数の減少については、同協議会の「普及・振興委員会」にて日本球界が一つとなって対策を協議してまいりました。
(参考)アマチュア野球競技者数(加盟団体登録者数、一部推定を含む)の推移
年 | 全体 | 小・中学生のみ |
2010年 | 約162万人 | 約66万人 |
2016年 | 約135万人 | 約49万人 |
2020年 | 約110万人 | 約41万人 |
その普及・振興の施策の一つとして検討が進められたのが「指導者資格制度の導入」です。これまでそれぞれの団体・年代/カテゴリごとに発展してきた野球界では同じ年代であっても、指導の基礎となる共通の指針がありませんでした。
全日本野球協会では、日本野球協議会 普及・振興委員会を通じ、各分野の専門家や各構成団体の協力を得て、2019年11月より「公認野球指導者」という資格制度を導入しました。この資格は、初のアマチュア野球界共通の指導者資格(硬式/軟式の区別がなく、特定の団体に所属していることを条件としない資格)となります。
日本野球協議会で導き出した今後の野球指導のあり方は、ただ選手がうまくなればよい、ただチームが勝てばよいというものではありません。競技力の向上を図り、勝利を目指すことはスポーツをする上で当然のことではありますが、その過程において人間力が高く、社会を豊かにできる人材を育むことが、「公認野球指導者」には何よりも大切なことです。また、そのためには指導者自身も「グッドコーチ(※1)」であることが求められます。日本野球協議会、及び資格の認定や管理を担うこととなった当協会では下記の実現を目指し、指導者資格制度の拡充を進めてまいります。
日本野球協議会が目指す指導者資格制度
1.理念の共有 | 野球/スポーツの楽しさ・素晴らしさを伝え、選手の競技力だけでなく、人間力の向上をはかり、健やかで夢のある豊かな社会作りに貢献できる人材の育成・輩出を目指していくという理念を、野球界全体で共有します。 |
2.一貫指導体制の構築 (※2) |
選手は成長とともに、所属する団体・カテゴリが変わりますが、いずれの団体に進んでも、上記理念と、発育発達や性別に応じた適切な指導の下に野球が出来る体制を整えます。 指導者は、各選手が最終的に目指す目標が何であるかを意識し、その年代で必要な指導を行い、その次のステップに選手を導いていきます。 ⇒ これらのことにより、選手の所属が変わっていっても、野球界全体で一貫して選手の育成ができる体制を整えます。 |
※1 グッドコーチに向けた「7つの提言」参照
※2 一貫した理念や指導方針のもと、目先の勝利より基本理念に基づいた長期的な選手育成を優先するという趣旨であり、各指導者の日常的な指導における工夫や独自性を否定するものでは全くありません。
【参考】グッドコーチに向けた7つの提言(抜粋)
スポーツに関わる全ての人々が、「7つの提言」を参考にし、新しい時代にふさわしい、正しいコーチングを実現することを期待します。
1. 暴力やあらゆるハラスメントの根絶に全力を尽くしましょう。
2. 自らの「人間力」を高めましょう。
3. 常に学び続けましょう。
4. プレーヤーのことを最優先に考えましょう。
5. 自立したプレーヤーを育てましょう。
6. 社会に開かれたコーチングに努めましょう。
7. コーチの社会的信頼を高めましょう。
平成27年3月13日
文部科学省 コーチング推進コンソーシアム