2014-05-16

増え続ける野球肘障害、専門家は少年時代の投げ過ぎを指摘



ロナルド・ブルム / アソシエイテッド・プレス  © ナナニモ・デイリーニュース
2014年5月16日

今や全野球界が、最も貴重な54ミリ(2-1/8インチ)に注目している。これは肘関節内側側副靱帯の平均的な長さである。
今年すでに12人以上のMLB投手がトミー・ジョン手術を受けた。この手術は患者の他の部分(通常利き腕の反対側)から採った靱帯を移植するものである。オールスター投手のパトリック・コービン、ジョシュ・ジョンソン、マット・ムア、そして今週金曜日にはナショナル・リーグ新人王ホセ・フェルナンデスがこの手術を受ける。
"これは疑う余地もない問題だ "とバド・セリグ・コミッショナー"また事故があったのではないかと新聞を毎日見るのが怖いほど心配している"。
この手術を受けた選手は少なくとも全シーズン休養しなければならないが、多くの剛速球型投手 - クリス・カーペンター(2007)、スティーブン・ストラスバーグ(2010)、アダム・ウェインライト(2011)は手術前と同じ剛速球を投げている。昨年手術を受けたマット・ハーべイはまだ回復の途次にある。
MLBでは、手術が必要になる前にこれら黄金の肘を守る予防策を見付けたいと考えている。整形外科医の世界的権威ジェームズ・アンドリュー博士は5月19日(月)にMLB調査委員会と会合する。
"会議では調査プロジェクトを立ち上げる予定。現段階でまだ内容が固まっていないが、広く関心を呼ぶものと思う」と同氏は語った。
2013年の調査ではメジャー投手の25%、マイナーの15%が手術を受けた。
ドジャースのスタン・コンテと調査を実施した米国スポーツ医学会のグレン・フライシグは"この数字に復帰できなかった選手は含まれていない。成功例だけである。" と語った。
MRIなどハイテク・スキャン技術の進歩により、通常医師には患部の正確な位置が判る。一方投手はスピードガンで監視されていて、球速が少しでも落ちれば検査の対象とされる。
しかし一世紀以上、投手は肩や腕の痛みを押して投げ続けてきた。
"昔は瀕死の状態であっても、「腕が痛む」とでも言うものなら、あとには15人も控えが待っていた。だから黙ってひたすら投げ続けたのだ」とトミー・ジョンは語る。
アンドリューとジェレミー・ブルース両博士は米国整形外科学会ジャーナル5月号でJ.R.デューガスの論文を引用し内側側副靱帯の手術数は21世紀の最初10年間に10倍増えたと述べている。専門家達は10~20年以前に比べ若年投手の投球数が大幅に増大していると考えている。
"以前、野球はシーズンのあるスポーツだったが、最近米国の一部の地域では遠征やスポンサー付の大会で年中プレーするようになっている、とアンドリュース、ブルース両氏は述べている。
2011年に発行された米国整形外科学会の研究では9歳から14歳の投手481人を調査した10年後の結果を報告している。その報告によれば年間100インニング以上投げた投手が肘又は肩の手術を受けるか又は野球を断念する確率は3.5倍になっている。
ニューヨーク・メッツの医療ディレクター、デイビッド・アルチェックは十代の選手の診断頻度を高めている。彼らはプロ選手ほど成長していないのに、スピードで注目されようとしていると同氏は述べている。
"一年中投げ続けていたら筋力トレーニングをする時間がなくなる。そうなれば腕が酷使され、破局に繋がる"とアルチェックは語った。
USA ベースボールの医療・安全委員会は9-10歳の投手は1試合50球、年間2000球、11-14歳は1試合75球、年間3,000球の制限を推奨している。15-16歳は1試合90球、17-18歳は105球で1週間に2試合以下としている。
ハーベイは自分が十代の頃、試合で投げ続けたことを語っている。"16歳の投手が、大会を終えて次の大会で又力投するまでの間どれだけ筋力回復やキャッチボールをしているだろうか?"
MLBメディカル・ディレクターのゲァリー・グリーン博士は2010年以来メジャー及びマイナー選手の障害、休養期間を記録しているが、アマチュア投手の投球インニング数、投球数のデータはないのでMLBの調査ディレクター、バート・マンデルバウム博士が調査を始める。
"調査では実態の統計を集める。障害を起こす可能性のある選手の予測は可能か?彼らのトレーニング方法は?彼らのバイオメカニックス(生体力学)は? "などを調べるとグリーン博士は述べた。
Fleisig concluded "投球数とどれだけ強く投球するかが、圧倒的要因だ"とフライシグは語った。
1974年にフランク・ジョーブ博士が初のトミー・ジョン手術を行うまで類似例は年間4に過ぎなかったのが1996には12例に急増、2003年には43、2012年には69となり、2013年は49であった。
前MLB投手でコーチのトム・ハウスは、投球に必要な運動筋肉を鍛えるべきだと説いてきた。しかし、ジョンはその反対を唱えている。
"今の投手はマウンド上ではなく、ウェート・トレーニングで鍛えている。筋トレは結構だが、それが全てであるならシュバルツネガーは20勝投手になれる。今の選手は体格と体力が向上した一方で腕の柔軟性が落ちているのだ“とジョンは言っている。
(KT)以上






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